高校レベルの英文法:教科書よりも原書で No.2 仮主語の it

こんにちは。

こんな英文を見つけました。

(1) He talked about what it’s like to be overflowing with creativity. (雑誌 TIME)

He talked about ~ は、「彼は~について話した。」です。
何について話したのでしょうか。
彼の話のテーマは、what it’s like to be overflowing with creativity です。
it’s = it is です。

この like ですが、A is like B. で、「A は B に似ている。」という意味になります。
「A と B とは、全く同じと言うわけではないが、共通の性質をもっている。
A は B のようなものだ。」ということです。

では、「A というのは、どのようなものですか?」は、どう言うのでしょうか。
疑問詞を先頭に置いて、疑問文の語順にするので、What is A like? になります。

この、What is A like? を He talked about の後ろに挿入して、
「彼は A がどのようなものであるのかについて話した。」という意味の文を作ると、

(2) He talked about what A is like. となります。
文全体としては疑問文ではなくなるので、… A is … の語順になります。

*overflow: あふれる、(~で)いっぱいである ← over (過度に) + flow (流れる)
*creativity: 創造性

(1) の to be overflowing with creativity は、全体が一つの意味のまとまりになっており、
「句 (phrase)」(← 文の一部を成していて、「主部 + 述部」を含まないもの) と呼ばれます。
「 to + 動詞の原形」は「不定詞 (to 不定詞)」と言われます。

ここでは、「 to be overflowing with creativity 」の全体が、
一つの名詞の働きをしており、「不定詞の名詞的用法 (~ すること)」です。

「 to be ~ ing 」という形は、不定詞の進行形 「..している..」です。

「 to be overflowing with creativity 」は、不定詞の名詞的用法で進行形なので、
「創造性に満ちあふれていること」という意味です。

上の (2) の、He talked about what A is like. において、
記号 A を「 to be overflowing with creativity (創造性に満ちあふれていること) 」
に置き換えた文を想像してみてください。

He talked about what to be overflowing with creativity is like. (← 誤文)
煩雑な複雑怪奇な形になってしまって、英語として成り立ちません。

正しい英語にするために、上の (2) の is の主語としては、
記号 A ではなくて、it を使います。
He talked about what it is like… という書き出しにします。

is には主語が必要なので、まずは仮に it を置くわけです(仮主語の it / 形式主語の it)。

この it は、形だけの主語であると言われることもあり、「それ」と訳されることはありません。

この it の具体的内容 ( to be overflowing with creativity「創造性に満ちあふれていること」) を後ろに置くと、He talked about what it‘s like to be overflowing with creativity. となります。「 it = to be overflowing with creativity」です。

He talked のところで、動詞が過去形ですから、
文の主な「節」(「主部 + 述部」を含む語群) があらわす時間は過去です。

そこで時制の一致が起こって、「…what it was like…」となると思うかもしれませんが、
ここでは、「…what it is like…」(it is → it’s) となっていて、現在時制のままです。

この (1) の文で、He talked about の直後の部分 (「創造性に満ちあふれている状態は、どのようなものであるのか」) を語っているときの話者の気持ちはどうなっているのでしょうか。

創造性に満ちあふれている状態は、どのようなものであるのか」という問いかけは、
過去という枠を飛び越えて、現在にも通用する質問であると意識しているので、
「…what it is like…」(it is → it’s) と現在時制のままになっているのです。

(1) の試訳:
「彼は創造性に満ちあふれている状態がどのようなものであるのかについて語った。」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






ということです。

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